Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

2013-01-01から1年間の記事一覧

12月の旅人

大瀧詠一さんが急逝されました。 2013年12月30日 65歳 個人的に思い出深いのは「さらばシベリア鉄道」 ノスタルジックなサウンドにのせ、とても遠くて冷たく悲しい情景をイメージさせてくれました。 太田裕美さんが歌うとそのイメージがさらに助長されました…

空の夢 ~さすらい~

現実と見分けのつかない考え事をしているような夢で目が覚めることがよくある。もう少年の頃のように覚醒できない。 少年時代は目を閉じていても覚醒し、暗黒の闇の中に鮮やかな色彩が止めどもなく渦巻く激流の中を流され続ける。目を開けると遥かな蒼空をシ…

カルピスのCMは嘘つかない

暴力的な夏の日差しのせいで、校舎の渡り廊下の下に入ると真っ暗な闇となり何も見えなくなった。しばしの眩みから気がつくともう夏休みの誰もいないはずの飲み場の奥に誰かいる。ジャージ姿の女子がしゃくりあげるように泣いていた。上級生のたったひとりだ…

空戦の鉄則

敵が優秀だと感じたら、基地へ帰ることにしている。もっとマシな日のために エーリッヒ・ハルトマン

断片

国道でたまたま出会った旅人に、ぼくは尋ねてみた。七つの海のむこうに七つの砂漠があり、そのまたむこうに七つの山があって、その七つめの山のうえに例の城があるのでしょうか、そして...... Franz Kafka

夢想都市

「チロルチョコ景品交換所」 迷い込んだ路地で地図を見ようと車を止めた脇にこんな看板があった。白いペンキで塗った板に黒字で書いてある。夢の中だから多少は非現実的な事が起こっても気にならない。 地図を広げると行きたい方向にはとりあえず左、西方向…

閻連科さんのお話

中国の著名作家、村上春樹を絶賛「超越した尊敬の念」 ※AERA 2012年10月15日号より 村上春樹さんが朝日新聞に寄せた東アジアの領土問題をめぐるエッセーが、中国語に訳され、中国で共感を呼んでいる。エッセーを読んだ中国の著名作家・閻連科(イエンリィエ…

Bitter sugar

もちろんYesという返事が無理なのはわかっている。駆け引きは必要ない。必要なのは優しさだけ。そんなことは分かっている。モヒートの甘さとミントの香りは、抜けるような青い空の下にゆれるさとうきび畑を思い出させてくれる。 That sugar cane that tasted…

SUSHI

なにしろもう結婚して20年になる。その節目で何かしらのイベントやらねばならぬ。そして相方のオファーのあった寿司屋へ行ってきた。 一見客として前日昼に電話でコース内容とテーブル席を予約したのだが、夕方に電話があり実はテーブルは予約がありカウンタ…

はかないもの

桜の樹の下には屍体(したい)が埋まっている!これは信じていいことなんだよ。何故なぜって、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。梶井基次郎「桜の木の下には」http://www.aozora.gr.jp/cards/000074/files/427_19793.html桜の…

あれから二年

風は強いが気温は上がり、春の到来が本物である事を感じさせる完璧な一日だった。 くっきりとした影が長くなってきたコンビニの駐車場。ここらのスーパーではお目にかかれないような(おそらく東京行き)、網袋がはち切れんばかりに詰まった、大粒ぞろいのア…

光の世界への階段

アフターバーナーの炎と空気を切り裂く破裂音。ジュラルミンに反射する夏の光。ガソリンとセメダインの臭い。空を飛ぶってこういう感覚なんだ。初めてバイクのアクセルを開けた瞬間にそう感じた。少年の頃好きだった物はいたってシンプルだった。 社会のスト…

せやな

自分探しなんてやめたらええねん。なんぼ追いかけたかって、自分の背中なんて絶対見えへん。そんなんやったら店でキンチョール探す方が絶対ええ。おっちゃん、最近な、先週かな? そのことに気付いてん。 松本人志

ある冬の午後

河口にほど近い汽水域の河川敷に車を停めた。川幅は100m近くあるだろうか。午後の冬の川の暗く冷たい水はアウシュビッツに向かう貨物列車を連想させた。 浮上した鯨の背中のような一時の中洲に小舟が斜めに横たわっていた。しばらくして陽が落ちる時間には小…

Imitation of Life-R.E.M. 日本語訳

REMの歌詞って、ただでさえ聞き取り難い英語、難解な言い回しと暗喩、実はただ韻を踏んでいたりと実に混沌としている。 Charades, pop skill Water hyacinth, named by a poet Imitation of life. いきなりこれだもん。 だから詩をヒントにしてストーリーを…

Fighter

闘鶏マニー・パッキャオ。6階級制覇の稀代の王者で愛称はパックマンだ。 故郷を支えるために命を捧げる覚悟で戦ってきた。 宿命のライバル、挑戦者ヒスパニックの英雄マルケスとの世紀の大勝負。挑戦者は勝つために必要な全ての事は執拗なまでに追及し機も熟…

あれから18年

1995年も明け2週間ほど経った頃。明け方の地震はたしかに大きかったが、それがこの世の終わりのような天変地異だったとは到底想像できなかった。 どうやらかなりの規模の地震だったようだ。まだまだアナログな情報伝達の時代でニュースは狼煙を繋ぐように少…

潜水服は蝶の夢を見る Le scaphandre et le papillon

42歳という働き盛りに突然の病に倒れ、身体の自由を奪われてしまったELLEの元編集長ジャン=ドミニク・ボビーが、全身の中で唯一動く左目の瞬きだけで綴った奇跡の自伝ベストセラーを映画化した感動ドラマ。監督は「夜になるまえに」のジュリアン・シュナー…

自分たちを見つめなおすところから

「アメリカ人は人殺しても良いと思ってる」マイケル・ムーア監督が激怒 - セレブリティニュース - 最新ニュース一覧 - 楽天woman 上記より引用 01/15 23:00 「アメリカ人は人殺しても良いと思ってる」マイケル・ムーア監督が激怒 <この記事はAP通信社のニコ…

喝采2005

40代に入ってしばらくした頃、高校を卒業してからずっと音沙汰の無かった友人、いや友人の親から報せが来た。おまけに黒い縁取りがしてあった。ちあきなおみの「喝采」じゃないんだから勘弁してくれよと思った。 盛岡から在来線で2時間。知り合いは誰もおら…

生きてるだけで丸儲け

この世に生を受けたこと。それだけで既に最大のチャンスをものにしている。 「アイルトン・セナ・ダ・シルバ」 (Ayrton Senna da Silva / 1960-1994)

完璧な社会

はみ出し者を受け入れない社会は酸に蝕ばまれるように少しずつ荒廃してゆく。社会の枠に囚われない者を阻害し排除または隔離する。それが完璧な社会の理念や通念。だがその非寛容の精神は社会の優しさを失うことになるのかもしれない。 本当に大切なものはな…

具志堅さんは今でもヒーローだ

南の島のヒーロー具志堅さんはフラフラだった。 もうお終いなのは判った。精神力だけで闘っていた。涙が止め処もなく溢れた。そしてタオルが具志堅さんに投げられた。「もういいんだよ。十分だ」そんな意味だったのか。 防衛を繰り返す度に具志堅さんが肉体…