Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

少年

原点

pooteen.hateblo.jp 絵画の作家活動をするために上京した娘がお盆の間の数日間帰郷していた。 Login • Instagram 合同アトリエでアトリエ展を開き、なかなかの手応えがあり絵も売れたと。 それは良かった、作品をもっと増やさなきゃね。 現代アートというか…

バスのベンチシートからドイツ製のスポーツカーへの道程

インフルエンザの予防接種に行ってきた。 効果は疑問視しているのだけど、感染予防措置は最低限の社会的責任ということで。 個人内科に予約して行ったのだけどやはりかなり待たされて、でもそれはいい。問題は自分勝手で公共性のない患者たち。 会社員風だっ…

よるくまは泣かない おすすめ記事

当ブログはカテゴリー 少年が基軸となっており、時事ネタではなく純粋な記事としてアクセスが多かったものを、おすすめ記事としていくつかピックアップしました。 また プロフィールもご拝読いただけると、当ブログのベースが見えてくるかと思います。 過去…

神無月に花束を君に

風の強いあの日 重たく曇り空 お別れ 飛行場まで アクセル踏んずけて *1 小牧空港へ向かう東名高速では酷い渋滞がはじまった。 この先事故渋滞 電光掲示板はシンプルに情報を掲示している。 まずいぞ。 車では生まれて初めて路肩に入って走った。今日だけは…

心の旅

岡崎で生まれ小6まで転勤族だった。 浜松(記憶にない) 岐阜(ここから記憶が始まり小2の1学期の終わりまでいた) 沖縄(小2の2学期から小6の1学期終わりまで) 豊橋(父が退職し生地であるここへ帰着した) 幼年時代の思い出から得た神聖で貴重なものなし…

ひこうき雲

grapee.jp 中三の新学期を控えた春休みに酷い怪我をして、1週間ちょっと遅れてひとりで新学年を迎えた。 クラスはもうすっかりグループの棲み分けが出来上がっていて、放課はそれぞれのグループごとに分かれて過ごしていて、周回遅れの僕は遠慮して仲間に入…

マイノリティーとしての矜持

南の島から転校してきた東海地方の小学校は陰鬱に感じられて息が詰まりそうだった。 そこには明るい色というものが無かった。 木造瓦葺の校舎の光を反射しない暗い瓦の色。 水泳の授業。空挺部隊のようにみんな次々と飛び込んでいく。順番が来て意を決してプ…

モノクロの微笑み

愛知県豊橋市と静岡県湖西市は里山の連峰に隔てられていて、多米峠で越えることができる。峠にはトンネルがあり昔は普通車80円の有料で、1980年前後くらいは暴走族のメッカだった。 豊橋から多米峠を越えた麓は湖西市知波田という小さな街で、当時は二俣線と…

僕の好きな先生

タバコを吸いながら いつでも部屋にひとり 僕の好きな先生 僕のすきなおじいさん RCサクセション「僕の好きな先生」 高校の頃この曲を聴いて、職員室から遥か離れた美術室にいつもひとりでいた美術教師を思い浮かべた。そしてそこは、ちょっとはぐれた先生、…

敗戦ランナー

予選の時間に間に合わない。 スロットルを開けても開けても加速しない。 そんな夢を今でも時々見る。バイクのロードレース選手権ともなると、総力戦でものすごいエネルギーが必要になり、大きなストレスやプレッシャーにさらされる。 競技としてスポーツをあ…

つきせぬ想い

幼年時代の思い出から得た神聖で貴重なものなしには、人間は生きてゆくこともできない。 ドストエフスキー カテゴリーの「少年」は、少年時代の忘れ得ぬ心象風景や、折に触れて思い出す尊い日々をモチーフにしています。そんな心の引き出しを開けたり閉めた…

来た 見た 勝った 人生に影響を与えた男たち

片山 敬済 Takazumi Katayama 《 刺激的な世界でしか、まともな呼吸ができない人種たち 》とても珍しい、NR500 時代の写真が送られてきた。私も初めて目にする「集合写真」だ。当時のプロジェクトリーダーの福井さんはホンダの社長になり、尾熊さんも役員に…

竜の背中に乗って 人生に影響を与えた1冊

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」 はじまりは「エルマーとりゅう」でしょうか。 家族や村というささやかな世界からエルマー少年は旅立っていきます。竜の背中に乗りエルマーは世界の広さと愛するということを学びます。 竜の潜む伝説の山は大切な心の隠…

こころの最後の旅

archipelago.mayuhama.com コザという歴史は遺構のように残っているんだ。ちょっとグッときた。 1972から1976まで沖縄県那覇市の首里の外れの街に住んでいた。首里城の北ゆえの城北小に小2から小6まで通った。近所の高台には新設の城北中学を建設中で工事現…

QandA

今週のお題「思い出の先生」 http://zip-fm.co.jp/program/mashversus/ MASH マッシュ - official site MASHというシンガーソングライター(でいいのかな)のFMプログラムが、片付けに入った僕のワークショップでオンエアされていた。 耳に入りやすいタイミ…

セキオ イシカワの時代

ケンヤは覚えているかな。 高一の夏休みの最後に部活の仲間でキャンプに行ったことを。 夏休みもあと二三日で終わるというタイミングで、弓道部のショウメイから電話があった。部活の仲間でキャンプへ行こうと。 このタイミングでキャンプはおかしくない?と…

強く正しく生きる、それは一見バカみたいに見えるかもしれない。

去年の甲子園でのニュース 甲子園マネージャーの「おにぎり2万個」は社会問題!?ネットで炎上発生 - NAVER まとめmatome.naver.jp 批評的な人々は世相に乗っかって一見正論を展開しているけど、なんだか物事の上っ面だけしか見ようとしない、足の届く海でバ…

ARROW 4

<a href="http://pooteen.hateblo.jp/entry/2015/02/26/140438" data-mce-href="http://pooteen.hateblo.jp/entry/2015/02/26/140438">ARROW 3 - Toujours beaucoup</a>pooteen.hateblo.jp 「おじさんはママのともだち?」 天才ミッドフィルダーの予測不能な未来へのパスように、彼が話しかけてきた。「きみはどう思う?」 「ぼくは知ってるよ」 そう言いながら彼はビーチパラソルに意識を向けた…

HANABI

夏の入り口 出口があればいい いつまでもたくさん

原点

「あんたが工具欲しいゆうとるけん、じいちゃん宇品まで買いにいきよったんよ。届いたら話があるけん、じいちゃんに電話しんしゃいよ」 おせっかいでおしゃべりでせっかちな典型的広島人のばあちゃんがこう言ってきた。 ヤマハRD50の中古車を買った時のこと…

深夜の訪問者

深夜二時ごろ。盲人の気持ちが分かるような闇夜だった。 永遠に終わらないような気がしてくる、砂漠に水をまくような仕事をしていた。 「ぬおーっす」 地響きのように何かが膨張し弾けたような、叫びのような声を感じた。目を向けると仁王像のような男が立っ…

消失点

ワタナベ マナブ 彼はなんだか家庭環境に問題がありそうな顔をしていた。 たしか87年か88年のこと。空前のバイクレースブームの折り、新設された西仙台ハイランドというサーキットがあった。仙台からほど離れた山の天辺にあり、その山の頂はいつも雨雲に包ま…

青い夜空

夏のはじまりのある夜のことでした。 丘に登り空を見上げると、ひとつの星がキラキラと輝いていました。 その星はニコニコと笑いながら僕に話しかけてきました。 夢なのか現実なのかわからないような夜の闇の中。 でもなんだかとても幸せな気分になりました…

イカロスの翼

見学に来ていた他の中3の生徒達はどれここれも似たようなものだ。田舎の中学、都会の中学。公立中学、お金持ち中学。制服が違うだけで、顔つきは似たりよったりのティーンたちだ。それが1、2年後にはその高校の在校生たちのような顔つきに育つのかと思うと…

ARROW 3

こっちへ向ってボールを追って駆け出してきた子供がいる。そのビニール製のボールを、ノートラップで蹴り返した。 ARROW 2 - Toujours beaucoup ボールを蹴り返す前に子供を観察し瞬時に判断して最適なボールを出す。 色白で茶系のさらさらの髪、クリっとし…

ARROW 2

だが僕は結果として彼女を救うことはできなかった。 彼女を救うのは全てを包み込める男しかない。でも難しいかもしれない。彼女はずっとひとりで生きていった方がいいのかもしれない。 そして数年がたち、僕はいつものように海辺のランニングコースを走って…

『トロッコ』 芥川龍之介

三人は又トロッコへ乗った。車は海を右にしながら、雑木の枝の下を走って行った。しかし良平はさっきのように、面白い気もちにはなれなかった。「もう帰ってくれれば好いい」――彼はそうも念じて見た。が、行く所まで行きつかなければ、トロッコも彼等も帰れ…

ARROW 1

目深にかぶったチューリップハットからのぞく、切れ長の大きな眼は強い光を帯びている。背は160と少しくらいで細すぎずとても均整がとれたスタイルをしている。タオルを巻いた胸元から上は、照れくさそうな透き通るような白い肌に、さらさらの白い砂がサンオ…

背中

死んだ明治生まれの広島の爺ちゃんは、真っ直ぐで正義感が強く頑固な大きな背中の男だった。 およそ組織向けじゃないと思うし、仕事でどうしても許せない事があると仕事ボイコットして2週間炬燵から出なかったこともある。上司が自宅まで呼びに来ても追い返…

愚有性との邂逅

1995年のある日。聞いたことのないレシプロエンジンの叫びが空から聞こえた。コントロールされていない粗削りで重たい鉄球のような排気音。 見上げると、仔羊のようなセスナ機を露払いに、西へ向かうその単発のレシプロ機は「零戦」だった。操縦法まで学んだ…