Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ARROW 3

こっちへ向ってボールを追って駆け出してきた子供がいる。そのビニール製のボールを、ノートラップで蹴り返した。 ARROW 2 - Toujours beaucoup ボールを蹴り返す前に子供を観察し瞬時に判断して最適なボールを出す。 色白で茶系のさらさらの髪、クリっとし…

ARROW 2

だが僕は結果として彼女を救うことはできなかった。 彼女を救うのは全てを包み込める男しかない。でも難しいかもしれない。彼女はずっとひとりで生きていった方がいいのかもしれない。 そして数年がたち、僕はいつものように海辺のランニングコースを走って…

神はどこかで見てる

さっき行ったコンビニの幸薄子さん。好きだなあ。ついつい野菜買いすぎちゃった。フレンドリーだしボップにも愛がこもっている。聞いてみたらやっぱり薄子さんが作ったんだって。コンビニ払い込み用紙をチェックしながらお店に入ったら、フェイントかました…

『トロッコ』 芥川龍之介

三人は又トロッコへ乗った。車は海を右にしながら、雑木の枝の下を走って行った。しかし良平はさっきのように、面白い気もちにはなれなかった。「もう帰ってくれれば好いい」――彼はそうも念じて見た。が、行く所まで行きつかなければ、トロッコも彼等も帰れ…

時計を止めた場所

豊橋 札木 旧東海道 「清和園」開業50年ショーケースのロウ細工のサンプルも50年経っているかもしれない。昭和歌謡にデコトラカレンダーの店内。炒飯は八代亜紀の味がした。

まんじゅうこわい

バレンタイントラップの中学の下駄箱の義理チョコ。重みのある泥だんごのようなチョコと一緒に、雑音だらけのカセットテープに録音された松山千春の呪いにかかった頃から、女性は基本的に苦手だし怖い。何回、急に重き荷を背負わされたり、ドアを閉められた…

二郎っぽいラーメン。 大将いなかった。新店舗行ってんだろうな。 野菜の甘みがどんどんスープに溶け込んで、アインシュタインも予測不可能な味の深化が魅力だったんだけど、その日はただただ塩っ辛いだけになっていて残念。 水の中で拡散していくインクの粒…

親友交歓 2015

「親友交歓」−太宰治− 昭和21年の9月のはじめに、私は、ある男の訪問を受けた。 フェイスブックで友達申請してきた憶えのない同級生で思い出してしまった。 同級生に必ずひとりはいそうな、ありふれた名前。プロフィールを覗くと出身校は同じで、しかもクラ…

ARROW 1

目深にかぶったチューリップハットからのぞく、切れ長の大きな眼は強い光を帯びている。背は160と少しくらいで細すぎずとても均整がとれたスタイルをしている。タオルを巻いた胸元から上は、照れくさそうな透き通るような白い肌に、さらさらの白い砂がサンオ…

背中

死んだ明治生まれの広島の爺ちゃんは、真っ直ぐで正義感が強く頑固な大きな背中の男だった。 およそ組織向けじゃないと思うし、仕事でどうしても許せない事があると仕事ボイコットして2週間炬燵から出なかったこともある。上司が自宅まで呼びに来ても追い返…

高3の3学期

中島みゆきさんには敵わないけど、自分も筋金入りの吉野家信者だ。 そんなわけで娘とすき家に行ってきた。吉野家はひとり旅の聖地だから女子供を連れて行くわけにはいかない。「中盛りと並皿」ざけんなおっさん…だよねえ…「中盛りと牛皿の並」娘は「高菜明太…