Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

夢想都市

チロルチョコ景品交換所」

迷い込んだ路地で地図を見ようと車を止めた脇にこんな看板があった。白いペンキで塗った板に黒字で書いてある。夢の中だから多少は非現実的な事が起こっても気にならない。

 

地図を広げると行きたい方向にはとりあえず左、西方向に行けば、城下町から放射状に出て行く幹線道路に出るようだ。その道路と現在位置の間にはもう1本放射状に伸びて行く幹線道路がある。Vの字状に伸びて行くその間は飛行場になっている。40年の空白の間に岐阜市に飛行場ができたのか?

 

幼稚園に上がる頃から小2の夏までいた岐阜。岐阜市の外れの山の麓に住んでいた。高校の時と25の時に再訪した事がある。家を少し離れるとまさに日本の原風景のような所で、田んぼや畑、あぜ道、用水路。どじょうに蛭にゲンゴロウ。ひたすら歩き川をさかのぼり農業用水の工事現場に潜りこむ。道を遮る山案山子。山門。ロバのパン屋の糞尿の臭い。早朝の薄暗い山のに潜む生物の恐怖。

 

そんな原体験の影響か時折り「岐阜をオマージュした心象風景」のような夢を見る。

 

昨晩は車で長良川を渡っていた。道は酷く渋滞している。高いアーチ状になっている橋からは街が一望でき、びっしりとつまったビルや家々のなかには歴史的構造物がかなりの数垣間見える。きちんと価値のあるものを保存する事はいい事だ。我町とは違う。橋の後半の下りに差し掛かると行く先は右折専用車線である。進路変更が憚られるほどの混雑で真後ろにはバスがイライラした様子でプレッシャーをかけてくる。ここはひとつそのまま右折して、地図も確認して仕切りなおそう。左折方向の川沿いは夢に何度も出てきているから土地勘はある。

 

そして右折して入った路地にその看板はあった。

チロルチョコ景品交換所」

いったい何なんだろう(笑)