Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

クリスマス休戦

ちょうど100年前の今日。第一次世界大戦の真っ只中に「クリスマス休戦」という、厳しい絶望の暗闇にほんの一瞬の光が差すような出来事があった。

目と鼻の先の陣地を奪い合って進退する泥沼の戦いが続く不毛の西部戦線塹壕の中に這いつくばって這いつくばって。頭を出せば狙撃手の餌食だ。

そんな絶望のクリスマスにドイツ軍陣地からテノールが聴こえてきた。
「聖しこの夜」
慰問してきた著名なテノール歌手の歌声だったらしい。だったらしい、というのは公式な記録が残っておらず、伝聞のみによるものだからだ。

聖なる歌声に、敵対するイギリス軍とフランス軍はただちに停戦命令を出した。うんざりした気持ちで絶望的なクリスマスを迎えることになった疲れ切った人々が、ふと暖かい人心地に我に返ったのであろう。

いったいどんな気持ちで、そのささやかな時を過ごしたのだろう。

「この後また、ろくでもない塹壕に這いつくばって泥水と硝煙と血の臭いまみれになるのはごめんだ。いっそのこと結託してもう全て終わりにできないだろうか。」

新年を迎える前には戦いは再開し、その後3回のクリスマスを迎えましたが、二度と休戦をするどころか、戦いは激しさを増したという皮肉な結果になった。

1914年のクリスマス休戦についての公式記録は存在しない。戦場の最前線で自然発生的に生まれた非公式の休戦だったためである。兵士たちが様々なかたちで体験を家族たちに伝えたため、語り継がれるようになった。サッカーをしたり、ワインを飲んだりし、たった一日の平和な日を過ごした。
この休戦の後、第一次世界大戦が激しくなる。
(これは、マイケル・モーパーゴ著「世界で一番の贈り物」の紹介文である。)

http://ja.m.wikipedia.org/wiki/クリスマス休戦