Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

8時間耐久ハードル

目の前のハードルは高すぎて、なぎ倒しながら走り抜けていくしかないのは分かっている。
後戻りできないのも分かってる。弱音を吐いても最悪な気分になるだけなのも知っている。
でも今日はずっとギブアップするイメージに支配されていて、そんな自分自身を呪う自分がいて、夜が明けなければいいのにと願っている。

ハードルをなぎ倒すほんの一時の痛みを我慢するだけでいいのに、ギブアップして負け犬として残飯を漁る自分をイメージしてる。

夜の底が明るくなってきた。


あんなに上品そうな奥さんさえ、こんな事をたくらまなければならなくなっている世の中で、我が身にうしろ暗いところが一つも無くて生きて行く事は、不可能だと思いました。トランプの遊びのように、マイナスを全部あつめるとプラスに変るという事は、この世の道徳には起こり得ないことでしょうか。


そうして、その翌る日のあけがた、私は、あっけなくその男の手にいれられました。
神がいるなら、出て来て下さい! 私は、お正月の末に、お店のお客にけがされました。


「やあ、また僕の悪口を書いている。エピキュリアンのにせ貴族だってさ。こいつは、当っていない。神におびえるエピキュリアン、とでも言ったらよいのに。さっちゃん、ごらん、ここに僕のことを、人非人なんて書いていますよ。違うよねえ。僕は今だから言うけれども、去年の暮にね、ここから五千円持って出たのは、さっちゃんと坊やに、あのお金で久し振りのいいお正月をさせたかったからです。人非人でないから、あんな事も仕出かすのです」

 私は格別うれしくもなく

人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ」

 

鈴鹿8耐ウイークのスタートだ。
人非人になることを許される週末である。
だが本当のレースは翌月末からの殺人的な支払いレース。
アポロ計画でアメリカが破綻しそうになったように、非日常を求めたツケは大きい。

 

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