Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

春一番

浜名湖畔のいつもの場所へ車を止めた。

いつものランニングコース。最近は走り込み不足なので、負担の少ない7キロちょっとで折り返してくる、往復15キロ弱のコース。
 
車を揺らすほどの強風で、湖面はクーデターのように荒れ狂っている。
この風をまともに正面から受けると、とても走ってられないので走り出すのを躊躇していた。
 
少なくともこれ以上はひどくならないだろう。意を決して、念のため冬装備で走り出した。
 
リアスまではいかないけど入り組んだ湖岸線で、風はいつも同じように吹くから、いつもの半島の陰になるところはオアシスのような無風地帯となる。
 
10代の頃にヨットスクールの合宿で、一人乗りのディンギー浜名湖を横断したことがある。コースはちょうどランニングコースの沖合いを並行していた。出発したらあっという間に今日みたいな荒天になった。
追い風を真後ろから受けるランニングでは、あまりにも風が強いと艇がつんのめるようなり、舳先から潜ってしまい潜水して失速して浮き上がる。バウ沈という。
荒れ狂う波風の音、船体が叩きつけられる音、マストやセールの金切り声のなか、何度もコントロールを失う艇。
恐怖そのものだった。
途中で休憩で半島の陰の入り江に入ると嘘のように静かだった。上陸して少し休憩した。
 
ここに来ると、そんなことをいつも思い出す。
 
後半の湖畔沿いの道路にはせり出すように桜の木が生えている。樹齢はかなり重ねていて、あまり手入れされていないから、苦しそうに身体を捻じ曲げてやっと立っている。そんな感じだ。
 
そんな中の一本が芽生えていた。
重たい冬のドアがやっと開け切られた気分になった。
 
また一年生き延びた。
 
そんな想いが毎年強くなる。
春一番だったんだな。
 
さまざまの事おもひだす櫻かな

 

 
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