Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

友あり遠方より来す

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満点星 DODAN
塩そば
 

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前回はDODANの常連さんとお邪魔して、全ての面でとても気持ちの良いお店でした。
 
遠方よりの大切な友人にも自信を持って紹介できるお店。友人に自慢の彼女を紹介するのに似ている。
 
お店はガラス越しの中庭を取り囲むような回廊状の作りで、間接照明で黒を基調としたデザインが映える。
入店から導かれるように、ガラス越しの中庭に面した2人席に着く。
大切な彼女を紹介するように、お店とメニューをプレゼンして、オーダーのために顔を上げると、テレパシーが通じたかのようにスタッフが顔を向け、完璧な間合いで来てくれる。
 
友は前回僕が食べた中華そば。 
僕は塩そば。
 
キッチンでは前回の立教大風のナイスガイが、クールで無駄のない動きで調理をしている。
 
来店客が増えつつあるタイミングだったが、程よい待ち時間で出来上がってきた。
 
塩そば、そのビジュアルには実に目を惹かれる。仕上がりに鷄系の旨味油をかけてあるのか、全体が黄金のベールに包まれているような輝きがある。
前回ほんとに綺麗な白味とオレンジ色の黄味で印象的だった玉子も、照明を反射して黄金に輝いているようだ。
丁寧に時を重ねたように、出汁がなんともいえない風味と旨味を醸し出している。
麺とスープのコンビネーションも完璧。焼豚、メンマ、ほうれん草も、出過ぎていないけどしっかりとした上品な味わい。
お店のBGMもまるで味のひとつのようだ。
 
友の食べ終わるのを待ち少し話をして、そろそろかと顔を向けると、最後も完璧な間合いでチェックに来てくれる。
 
まいった。
 
ごちそうさまでした。
 
 
 
 
 
 
 

免罪符

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新規開店のラーメン屋さんに連れて行ってもらいました。

醤油ラーメン 780円

レジュメには
高級厳選無添加食材が基軸になっていることがアピールされている。
価格的にも特製(全部入り)に至っては1080円と、なかなか強気で高高度飛行のB29のようなアピールを感じた。

そして今迷っている。
実は記憶から消し去ろうと思った。人の商売の邪魔するつもりはないし、オープンしたてで大目にみてもいい。たが食後半日経ち、心の中の夕日に誓う午前3時に悟った。

西部戦線異常なし」レマルク
ラーメン激戦区滋賀県、つまり西部戦線帰りとして伝えるべきだ。

お店は3連棟のステレオタイプの大東建託風テナントの真ん中。家賃は118000円基準で真ん中は安いから108000円とみた。小岩の街外れのような立地。
となりのスナックは先輩の行きつけで、何回か行ったし良いママだけど、それだけだ。

つまりランニングは安いけど出店は避けたいロケーション。駐車場も板門店のような配慮が必要だ。

だがこの世にはブレイクスルーという魔法の言葉がある。西部戦線にもとんでもないロケーションのお店も多かった。

お店に入ると食券を購入してくださいと。振り返ると卓上の小型券売機。
塩と醤油だけ。あとはトッピングの選択など。

ところでオープンして間もないのにお客さんは他にいない。地雷原に迷い込んだか。

スタッフは優しい駐車場係風の大将がキッチンの中。ホールに目の血走った年配の女性。
注文の多い料理店」なのか。
1980円のCDプレーヤーからは、B'zが流れている。ラーメンにB'zはないだろう、でもそれは店のやり方だ。
でもB'zはないよ。

手持ちのカードは雲行きが悪い。奇跡の逆転はできるのか。

五分ほどでできてきた。
よく見かける底が狭くて深いどんぶり。
塹壕から見えた蝶にそっと手を伸ばすようにスープを一口。
ほのかにいろんな出汁が感じられて、貝汁のよう風味だ。でもとにかく「自信がない」そんな味ではっきりしない。

麺はなんだか玉になっている。これは底細りの丼のせいじゃないのか?また麺に対してスープが少ない。麺はシコシコした食感もあり悪くはないのだが、スープとの相性が悪く大味な印象だ。

レジュメでは麺についてだけは、なぜかスルーされている。

全体としては、頑張っているのはスゴく伝わってくるが、自信の無さというか、ラーメンとして確立されていない。

「頑張っているのはわかるが、これは500円だな」そう思った。

連れ添ってくれた人は
「540円ですね。40円は消費税分。なんだか、冴えない400のネイキッドバイクにブレンボ、マルケ、オーリンスなどの一流パーツを盛った感じですね(レジュメの厳選高級食材使用から)」

うん、まさにそんな感じ。

食後のデザートにカスピ海ヨーグルトをサービスしてくれた。ありがたい。
でもそれですっかりラーメンの余韻が消えてしまい、味がうまく思い出せない。

記憶から消し去ろうと思ったが、無化調高級素材ベースが免罪符になっているような最近の風潮が、お店のレベルを下げているようで報告せざるを得なかった。

ごちそうさまでした。

以上報告終わり

その日の西部戦線はいつになく静かだった。つかの間の静けさの塹壕の中、目の前に蝶が飛んできた。
蝶に向かって手を伸ばした。届かない。
頭が塹壕の外に出た瞬間に…
狙撃手に頭を撃ち抜かれた。

つかの間の平和な1日。その死は本部には報告されなかった。

西部戦線異常なし。報告おわり」

 

味 リベンジ編

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大将不在時のあまりの戦力低下に愕然とした前回。

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機は熟した。

西部戦線滋賀県ラーメン最前線)から帰り、地元のラーメンの平和ボケに落胆していた。いっちょまえの値段と能書きなのに、記憶から消し去りたくなるような味。

ホームのお店でリスタートすべきだ。

 

お店をチラッと覗くと大将が最前線で一心不乱に動いている。

午前2時に店を閉めそのあと明け方まで仕込みをする。そのまま店のフロアに倒れこむこともあった。二階が住居スペースになっているのに。店を休んでの味を探求する旅回りも欠かさない。太り過ぎて医者にはこのままいくと死ぬと宣告された。実際一度死にかけて店をしばらく閉めたこともある。つまりラーメンに命を捧げた男。

これがこの店の顔だ。

 

「男ラーメン」中 全部マシマシ ニンニクだけ抜き。

・麺の量は中でニンニク以外全て大盛り

 

 

いつもの、つまりベンチマークだ。

前回わかりやすい表現で、二郎っぽい、としたが、これは手のかかったれっきとしたラーメンである。二郎はラーメンではなく二郎という食べ物である。

結論からいう。

至福の一杯だった。

意識が飛びそうなくらいに。

軽く完食できた。

 

作り手でこうも違うのものかと唸った。

 

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おまけのネギ軟骨。

これはまさにとろけた軟骨が口の中を溶かすような旨さだ。

日本酒の熱燗もお猪口一杯サービスしてくれた。つまりお銚子とお猪口にもなみなみと注がれて出できた。

もう死んでもいい。

ごちそうさまでした。

 

 

旅ラー

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来来亭 野州本店

・ラーメン 690円
麺固め
醤油濃い目
脂多め
ネギ多め

地元の豊橋での来来亭は、まあまあの味わいだけど、ベタベタのテーブルやラフなサービスの、マイナス面をカバーできるほどの味ではない。

栗東でたまたま見つけた本店に入ってみた。

全然違う。
ベタベタの店内。でも、毎日きっちり掃除しているけど、それでも間に合わない、そんな感じでポップなどは整然としている。店員もキッチリしている。

味も地元豊橋と全く印象が違って、ガッツ感があるというか、生き生きとした味。基本的にジャンキーな味だけど好きだなあ。




鉄旅ラーメン部隊

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鉄旅 滋賀県守山ラーメン最前線
横浜家系 「秀吉家」
ラーメン 中盛り(1.5玉)麺固め750円

 
・脂はきつ目
・麺はプリプリツルツルとした食感と、柔らかい風味の秀逸なもの
・スープは濃い目のほうが、ほんのりとしたほろ苦さが感じられ麺との絡みが素晴らしい(同行者のを一口 )
・焼豚は塩味がきき、ほろほろとくずれる。スパムっぼい風味てある。

・次回は、1玉 麺固め 脂少なめの濃い目にすること。

ニンニク入れますか

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捩り鉢巻きに星のマークの入ったTシャツのツッパリが腕を組んで見るものに睨みを効かす。
キーワードは「ニンニク入れますか」
カラーイメージは王道の赤と黄色に、ピンクの星。
そんな画像看板や店舗が市内のあちこちにあった、一時期は隆盛を極めたラーメン屋。自家製麺の卸とかもやっていたはずだ。
メインのラーメンを数種類と、唐揚げ、餃子焼、豚飯。パンチの効いた豚骨スープとたっぷりの背脂。そして真っ赤なカウンターの目の前には生ニンニク食べ放題の皿とニンニク潰し機。
 
ザ ラーメン屋。
接客はかなりラフで、余韻も重くにおう。
 
かなりヘヴィーだけどパンチの効いた印象に残る味に、素材の味が生きた細麺。ニンニクがさらにそれを強める攻撃的なラーメンで、営業時開もほぼ24に近く、かなりの有名店になっていった。
 
その後は一風堂が流行り出したころから、きれいなお店にきちんとした接客にビジュアル重視のラーメンが流行り出し、そこは勢いを失っていった。
 
個人的には、大繁盛店になってからは、背脂というか厚い油の層の下に、スープがあるような、行き過ぎた味に変わっていき、一時期遠ざかっていた。
 
本店近くの、看板にもなった社長のきれいな自宅には、成功者が求めるメルセデスのスポーツカーがあり、なんだか成上りヤンキー路線らしいアピールを感じていた。別に悪いことではない。懸命に突っ走って、何かを掴んだ者が何をしようと自由だ
 
久しぶりに行ってみた。
平日の深夜。社長と昔からいる女性店員の二人で切り盛りしている。
コンクリート打ちっ放しの床は真っ黒。社長もびっくりするほど老け込んでいた。というより、ラーメン屋ではなく経営者として齢を重ねた凄みすら感じた。
 
ラーメンと唐揚げを。
あまり期待はしていなかった。   
でも背脂は多いが油の層がない。
 
参った…
美味いじゃないか!
 
開店当初の味に戻ったのではないか。パンチの効いたヘヴィな味は相変わらずだか、真面目でバランスのとれた味になっていた。
 
何があったのだろうか。
社長は時折ブツブツ言いながら、相変わらず無愛想に仕事している。
 
栄枯盛衰とはこのことか。
歴史を経て本物の味になったんじゃないかな。ラフな接客と古びた店も味のひとつだ。
また世話になるよ。
 
ごちそうさまでした。
 

満点星の夜空に

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郊外にあるカフェのようなラーメン屋さん。
気鋭の建築家がデザインしたような、空間を贅沢に使ったシックなデザインのお店。
ボーリングのレーンくらいありそうな長いカウンター越しには、きっちりとレイアウトされた清潔なオープンキッチン。
そしてやはりカフェのような、立教と法政大風のさわやかな男性店員が笑顔でもてなしてくれる。
もちろんタオルなんか巻いていない。
 
本格で広いキッチンはラーメンを作るには少々大げさすぎるし、湯切りの派手なアクションや飛び散る汗もないのは、なんだか少しさみしい気もする。
 
出来上がってきた、醤油そば(750円)も由緒正くて育ちの良い柴犬のような、凛とした佇まい。ビジュアル系である。
 
スープはあっさりとした、ほんのり甘い醤油味に鰹の出汁が出しゃばらない程度に効いている。
麺もアピールは控えめで、貞淑なスープとのチームワークが抜群。焼豚、メンマ、葱、ほうれん草、鳴戸巻き、花を添えるように、どれもきっちりとした真面目な味わい。
 
ごちそうさまでした。
 
満点星 DODAN