だらしない曇り空が僕なんだ
ちょっとレトロなアレンジで青くさい歌詞がラジオから流れてきた。
イエスかノーなんて問いかけられてもちょっとまって、そんな簡単に答えを出せないよ
叫びたい青空なんて青空なんて好きじゃないよ
どこまでも雲がないなんて嘘っぽい
学園祭の女子バンドみたいに、稚拙だけど溢れ出る気持ちが伝わってくる
曲はこう終わる
だらしない曇り空が僕なんだ
最後は哲学的ですらある
ザ・コインロッカーズ
『憂鬱な空が好きなんだ』
おいちょっと待て
なかなかやるじゃないか、ザ・コインロッカーズとは
村上龍の『コインロッカーベイビーズ』をオマージュしたバンド名なのではないか?
『コインロッカーベイビーズ』は村上龍による最も村上龍たる作品でありこんな見事なレビューがある。
改行の少ない濃密な文章から想起される、匂い立つような生々しい映像と疾走感。かなり人を選ぶ小説だと思います。
そしてこれを読んだ、まだ当時兼業作家であった村上春樹にもある種の革命を起こした
それを村上春樹はこのように表現している
しばらく時間が経ってから、ある種のショックがあった。村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』を読み、こんな本を書きたいと仕事を辞め、小説一本にしました
京都大学の講義にて
国民的ガールズバンドとしてプロデュースし、バンド名は「コインロッカーには、大切なものを預けたり、取り出したり、そして着替えたり、何かもうひとつの自分になれるキッカケになるもの── きっとそこには、彼女たちの夢が詰まっているのではないか」という意味を込め秋元が命名したという
一方『コインロッカーベイビーズ』ではコインロッカーはこんな役割をはたしている。
1972年夏、「キク」と「ハシ」はコインロッカーで生まれた。2人は横浜の孤児院で暮したのち、九州の炭鉱跡の島にいる養父母に引き取られる。多感な時代をその島で過ごしたのち、本当の母親を探してハシは東京へ消えた。そのハシを追って東京へ来たキクは、鰐のガリバーと暮らすアネモネに出会う。キクは小笠原の沖、カラギ島に眠る「ダチュラ」を使ってこの世界を破壊したいと願い、ハシはその生まれもった才能と努力でポップスターへと登り詰めた。「本当の母親」に出会えたとき、2人のとった行動は…。
キクとハシが幼少時に「聞かされた」音とは…。
対極にあるようなシンボルとしてのコインロッカーであるが、出発点でもありターニングポイントであることは共通している。
ザ・コインロッカーズは秋元康が表現する現代版の『コインロッカーベイビーズ』なのであろうか。
参考
https://matome.naver.jp/m/odai/2144924345824084201?page=1