Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

特殊清掃 特掃隊長

次々に絞首刑にされるナチス戦犯の映像をみた。死刑囚は勝ち誇ったような顔をしている。メッセージを発する者もいた。なぜか処刑側の方が敗北した顔をしていた。絞首刑と特掃で扱う死は異質なものかもしれないが、死は死でしかない。

インドの火葬場の男が「俺はアンタッチャブルと言って、通りで肌が偶然ふれあうことも許されない身分なんだ。でもな、俺が燃やさなきゃどんな身分の高い人間でも地べたに放置して鳥の餌なのさ」と胸を張る。アンタッチャブルとはカースト外の人々。人に非ず。

人非人だっていいじゃない。生きてさえいれば」

ヴィヨンの妻は言った。

どんな仕事でも正面から向き合うのが、動機付や自己の正当化であったりする。だがこの特殊清掃では困難であろう。

暗い淵を覗き込み自ら入ったような感情の葛藤から学んだ死の意味は、生きていく上では必要ないかもしれない。でもある日突然ナイフを突きつけられるように、目の前に死が訪れても狼狽しないように心して生きるべきだと思った。