読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

竜の背中に乗って 人生に影響を与えた1冊

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」

はじまりは「エルマーとりゅう」でしょうか。

家族や村というささやかな世界からエルマー少年は旅立っていきます。竜の背中に乗りエルマーは世界の広さと愛するということを学びます。

竜の潜む伝説の山は大切な心の隠れ家。

 

「家族や村というささやかな世界」というのは、ぬいぐるみのようなもの。大人になっても心のどこかにいてほしいものです。

それは「くまのプー」のクリストファー・ロビンにとっての森であったり、惑星B612の薔薇であったり。

 

 

銀河鉄道の旅」宮沢賢治

宮沢賢治さんの感性は唯一無比だと思っています。アインシュタインによると宇宙は膨張しているのだが、宮沢賢治さんの宇宙は森の中にあり、川の流れの中にもあり、雲の続きのようでもあり、風のように流れて行く。

 

 「風の又三郎宮沢賢治

小学校低学年のころにお寺の鐘の下で読みました。僕自身も転校生として遥か遠くの南の島へ行くことになっており、寂寥感で彷徨うような気持ちだったのを覚えています。それもあり又三郎に感情移入して、不安な吊り橋を共に渡るような気持ちで、読むというより共感したよう思い出があります。

 

 

「夜間飛行」サン・テグジュペリ

大空を夢見た少年時代に、勇気を持って生きて行く、そんな事を教えてくれた本です。

 

「人間の土地」サン・テグジュペリ

運命を偶然に委ね全てを捧げる覚悟がないと空を飛べなかったころの話。 砂漠の空を彷徨う崇高で孤独な想い。 非日常の繰り返しは意識を研ぎ澄ませて行く。 青年の意識は身体を離れ、夜空を守る星のように人間を見つめる。

 

星の王子さまサン・テグジュペリ

つぎの星はハチマキのちょび髭のおじさんがいた。 おじさんは鉢植えや机や椅子をさかさまにしている。 

「ここで何してるの?」 

「国家転覆計画なのだ」 

おじさんは胸をはって答えた。

  「どうしてそんなことするの?」

 「理由は忘れたのだ」

 「どうして全部さかさまにしてるの?」

 「できる事からやるのだ。」 

「僕に何かできる事ある?」 

「きみも逆立ちをするのだ!」

 おじさんはそう言うと逆立ちをはじめた! どうしていいかわからず王子はそこをあとにした。 大人ってやっぱりおかしい。 王子は旅をつづけた。

次の星にはリンゴを持ったおじさんがいた。

おじさんは難しそうな顔している。

How does it feel?

「もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは、本当に自分のやりたいことだろうか?」 

意識高いなこのおじさん。

「僕だったら泉に向ってゆっくり歩いていくよ」 

 

 

「雪国」川端康成

 14歳の頃は意味なんてわからなかったし糧になったかどうかもわからない。 でも作者の歳に追いついて分った。 読み返すたびにほれぼれするような本当に美しい文章で、情景が鮮やかに広がり女性の肌のぬくもりや匂いまでも感じさせる。

 

 

ヴィヨンの妻太宰治 

 

「マイナスを全部あつめるとプラスに変るという事は、この世の道徳には起り得ない事でしょうか。 いつまでも、いつまで経っても、夜が明けなければいいと思いました。 」 

 放蕩の革命詩人ヴィヨンに心酔し、闇を突き抜ける閃光に心を突きぬかれたような大谷という詩人。その妻の言葉で綴られているストーリー。 生きるための覚悟を決めた女性の捨て身の勇気というか、運命に順応して行くその大胆さ。 またそんな女性の肌の温かみを感じるような作品です。

 

 

 

「三四郎」夏目漱石

ずいぶんと前に読んだので、幼い頃の記憶のような所感てすが、女に初心な三四郎の心情の描き方が印象に残っています。汽車の中や街の匂いや風も感じられるような描写の巧みさは、まるで小津安二郎の映画のようでした。

 

 

日はまた昇るアーネスト・ヘミングウェイ

喪失感。虚無感。血の匂いと祭り。ワインの味。いかに生きるか。人生という巨大な敵と戦い続けるような旅。そんなイメージで映画「ディアハンター」にも通ずる。

 

老人と海アーネスト・ヘミングウェイ

もはや老人の年が何となく見えてきた。

夢とも現実ともつかない記憶の残像。命懸けで仕留めた獲物は旅から戻る頃には骨と化していた。 

そんなにまでして頑張った意味はあるの?

意味なんかない。

ジョーはコーナーで真っ白に燃え尽きた。

いくら旅をしてまわっても自分から逃れることはできない。

 

 

「海を見たことがなかった少年ーモンドほか子供たちの物語」ル・クレジオ

南仏の色彩豊かな町ニースに迷い込んできた仔犬のような少年モンド。

行間に挟まった儚くて遠い心情風景が、魔法のように飛び出してきます。幸せとは永遠にかなわない夢かもしれません。つかの間の少年や少女の時にだけ純粋に信じることのできる夢。大人になってもそれが昔観た映画のように心に残る人は、ひょっとしたら幸せなのかもしれません。

 

 

風の歌を聴け村上春樹

村上春樹さんご自身はこの作品をあまり認めていないようです。しかし思うのです。デビュー作品のこの作品は氏にとって、出発点でもあり分岐点でもあり終着点ともいえる。つまりこの作品で全てを語り尽くし、作者として生きるために過去との訣別をしている。続く羊三部作はモラトリアム期間のようなもの。そしてノルウェイの森で、それまでの文豪とは異質なタフな作家へと生まれ変わります。リアルタイムで読んできたので、最新作やノルウェイの森から村上春樹的ドアを開けた方とは感じ方が異なるかもしれません。氏のヒストリーを辿るならここから。

伝説的な作家デレク・ハートフィールドをシンボリックに描いているところも素敵です。

 

 

「少年」「単独飛行」「飛行士たちの話」 ロアルド・ダール

ジョニー・デップの映画「チャーリーとチョコレート工場の秘密」の原作者のロアルド・ダールは、戦争を生き抜いた「正しく強い心をもった男」でした。

厳しい寄宿舎教育で我慢と不毛さを学び、アフリカへシェルの社員として単身渡ります。そこでの忘れることのできない数々の貴重な体験。そしてアフリカへもナチスの魔の手が及び、ダールは立ち上がります。RAFロイヤルエアフォースのパイロットになったダールは、ハリケーン戦闘機を駆り圧倒的戦力のナチスと戦います。砂漠に墜落し彷徨う。猛獣や毒蛇が潜む夜を抜けるアフリカ大陸横断。

奇跡的に生き抜いたダールはイギリスの母の元を目指します。

イギリス紳士の戦い方はまた日本男児の戦いとも違いましたが、根っこの部分は同じでした。

 

生い立ちを描いた「少年」

アフリカ生活からRAF時代を描いた「単独飛行 Going Solo」

それらの忘れえぬ経験に基づくフィクション「飛行士たちの話」

 

ダールをはじめ強く正しく生きた男たち、というのはこのブログの骨身ににもなっています。かなりの部分でダールをオマージュしています。

 

 

きりがないのでこの辺で

そろそろコインランドリーの時間だ。