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Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

空の夢 ~さすらい~

 現実と見分けのつかない考え事をしているような夢で目が覚めることがよくある。もう少年の頃のように覚醒できない。

 

 少年時代は目を閉じていても覚醒し、暗黒の闇の中に鮮やかな色彩が止めどもなく渦巻く激流の中を流され続ける。目を開けると遥かな蒼空をシラスのように透き通りそうな白い機影がゆっくりと動いていく。

 

 ある日は雲のかたちをまるで少年の義務かのように見届け続けていた。滑り止めの縞鋼板のステップの音を刻み、屋上に登り仰向けになり空に向かう。丸焦げになりそうな苔とコンクリートのほのかな香りと生暖かい風。

 

 さあ切符をしっかり持っておいで。お前はもう夢の鉄道の中でなしに、本当の世界の火やはげしい波の中を、大股にまっすぐあるいて行かなければいけない。天の川のなかでたった一つの、ほんとうのその切符を。決しておまえはなくしてはいけない(『銀河鉄道の夜』より)

 

 宮沢賢治が夜の闇の彷徨いを言葉にしたように、南の空の波の続きに何かがあるような気がした。


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