マイノリティーとしての矜持

南の島から転校してきた東海地方の小学校は陰鬱に感じられて息が詰まりそうだった。 そこには明るい色というものが無かった。 木造瓦葺の校舎の光を反射しない暗い瓦の色。 水泳の授業。空挺部隊のようにみんな次々と飛び込んでいく。順番が来て意を決してプールに飛び込こむと、そこは暗緑色の世界だった。パニックで泳げ…