愚有性との邂逅

1995年のある日。聞いたことのないレシプロエンジンの叫びが空から聞こえた。コントロールされていない粗削りで重たい鉄球のような排気音。 見上げると、仔羊のようなセスナ機を露払いに、西へ向かうその単発のレシプロ機は「零戦」だった。操縦法まで学んだ憧れの存在。見間違えようがない。まさに非現実が飛んでいく白日…