Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

この世は夢 わが王国へようこそ 零戦名古屋へ還りし

1940年の皇紀2000年を迎えようとするころ、小牧市の現県営名古屋空港に隣接するMRJ三菱航空機)で零戦は誕生しました。零戦の名前は0式戦闘機(皇紀00年採用)から由来します。
その当時まだ名古屋空港は無く、完成した零戦は牛車に乗せられ岐阜県各務ヶ原空港へ運ばれました。
 
長い旅を経て誕生の地に飛ぶことのできる零戦が里帰りしてきました。
MRJ自体には自らの手によって復元された零戦が数十年も前から存在するのですが、政治的な理由もありポジティブな遺産としては存在理由が認められず、もちろん飛ばすこともできません。
 
今回本当に困難な旅路を経て里帰りした零戦は民間によるもの。外国によるリビルト機で個人の日本人実業家の所有するものです。購入費用だけではなく維持管理費用も膨大で、支援者も募ってはいるのでが底の抜けたバケツのような費用に、オーナーはギブアップ寸前のようで売却の意志も示しています。
 
ひょっとしたら最後の旅になりかねない今回の零戦の全国行脚。
 
その苦しい旅の途中での最初で最後になるかもしれない、70数年ぶりの小牧への里帰りは感慨深いものがあります。
 
 
やあ来たな、ニッポンの少年。
 
カプローニさん、ここは私たちが最初にお会いした草原です。
 
我々の夢の王国だ。
 
地獄かと思いました。
 
ちょっと違うが同じようなものだ。
君の10年間はどうだったんだね?
力を尽くせたかね?
 
はい、終わりはずたずたでしたが。
 
国を滅ぼしたんだからな
あれかね?君のゼロは?
美しいな、いい仕事だ
 
一機も戻って来ませんでした
 
往きて還りしものなし。飛行機は美しくも呪われた夢だ。
大空はみな飲みこんでしまう。
君を待っていた人がいる。
 
ナオコ
 
ここで君が来るのをずっとまっていた。
 
あなたは生きて・・・生きて・・・
 
往ってしまった。
美しい風のような人だ。
君は生きねばならん。
その前によっていかないか。
いいワインがあるんだ。
 
映画『風立ちぬ』より。