Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

石原文学 エピローグ 天気晴朗なれど波高し

  

headlines.yahoo.co.jp

 

東京都議会の百条委に向かうにあたり、石原慎太郎元都知事は2017年3月20日正午前、自宅前で記者団に心境をきかれ「天気晴朗なれど(も)波高し」と答え、続いて「君らは教養がないから分からんだろ」とメディアに一発お見舞いしました。

 

過去にも政治などで引用された有名な言葉で、まともな記者であれば知っているはずですが、こんな老いぼれを引き摺り出して叩く世間への、氏なりのメッセージでもあったのではないでしょうか。

 

そもそも君たちが愚かで怠慢だから(きちんと都政を見張っていなかった)こんなことになったんだろ

 

本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」というフレーズは、日露戦争で日本が当時世界最強と言われたバルテック艦隊を完膚なきまでに叩きのめした日本海海戦の出撃の際の、日本の連合艦隊司令官の東郷平八郎海軍大将が東京の大本営に打電した文言の一部で、乾坤一擲の大勝負に際しての「名文」との指摘もある言葉です。

「本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」は「本日天気晴朗ノ為、我ガ連合艦隊ハ敵艦隊撃滅ニ向ケ出撃可能。ナレドモ浪高ク旧式小型艦艇及ビ水雷艇ハ出撃不可ノ為、主力艦ノミデ出撃ス」という意味を、漢字を含めて13文字、ひらがなのみでも僅か20文字という驚異的な短さで説明しているため、今でも短い文章で多くのことを的確に伝えた名文として高く評価されています。

例えばモールス信号による電信では、わずかな途切れでも全く意味の異なる文章になるため、とにかく文章は短ければ短いほど良いとされています。

また 真珠湾攻撃の決行を意味する手旗信号のZ旗の信号文「皇国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、各員一層奮励努力セヨ」も真之の作です。

成果を収めた連合艦隊解散式における、東郷の訓示(聯合艦隊解散の訓示)の草稿も真之が起草したものとされています。この文章に感動した時の米大統領セオドア・ルーズベルトは、全文英訳させて、米国海軍に頒布しました。これらから名文家・文章家としても知られており、後に「秋山文学」と高く評価されるようになりました。

秋山真之 - Wikipedia

 

石原氏はヨットマンでもあり、ヨットを通して海からも深い薫陶を受けています。

本日天気晴朗ナレドモ浪高シ

海には寛容さのかけらもなく、海は一切の反抗を許さず、波の高さは恐怖で決まるといいます。

そんな厳しい海へ挑むヨットマンのような心意気を言葉で示したのではないかと僕は思うのです。そして氏は「どうせ記者どもは通り一辺倒の解釈しかしねえんだろうな」と、笑顔で一発嫌みをお見舞いしたと。

 

ムカつく爺ではありますがやりおります。