Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

ある秋の晴れた月曜に

月曜はワークショップの定休日なんだけど、実際はほとんど休まない。

そういうのを日常としているから別にどうってことなない。でもその日は休むべき日であったとあとで分かった。

 

成層圏を感じる抜けるような青空の朝だった。娘も休みらしいから午前中に洗濯物を片付けたあと、ワークショップの近所のカフェに行ってみた。三河牛を使ったハンバーブランチと、熟成あんかけスパゲッティが美味しいらしい。ご当地メニュー。

 

 

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窓の外に向かって座る二人がけのソファーシート。おもしろい。でも窓の外の景色は現実味溢れすぎていて理解不可能。

 

娘はオムレツランチ 700円

全てを欲する僕はあんかけハンバーグスパ 980円

200円追い金でホットコーヒー

 
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ぐつぐつと煮えたぎりながらあんかけハンバーグスパが出てきた。燃え滾るマグマのようにピチピチ飛んで来るから白いジーンズは死ねる。ちなみにお皿盛りも選択できる。
ハンバーグはよく火が通っていて柔らかく上品な味わい。この界隈では評判の「さわやか」の肉肉しくて歯ごたえのあるレアハンバーグとは対極となる。あんかけソースは数日間煮込んで熟成してあるというだけあって、特に野菜の深みのある味わいのハーモニーがぐっとくる。名古屋メシのあんかけスパの第一人者のヨコイのあんかけソースのように、やたら尖がってスパイシーではなく、重くもない。好きだな。パスタとの相性も間違いない。

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 娘のオムレツランチはビジュアルも良く、爆盛りでひーひー言っていた。濃い色を添えているデミグラスソースも自家製なのかな。これは結構ヘヴィでパンチのある味わい。プロはオムレツを本当に上手に作るもんだといつも関心する。きっとオムレツ専用に交配され、オムレツ専用の餌を食べ育てられた鶏の卵を使っているに違いない。
 
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とても美味しい料理だったのにコーヒーが死ぬほど不味かった。悪いけど胸が悪くなって残した。濃すぎるネスカフェゴールドブレンドの時間が経ったような味だった。店主はコーヒー飲まないんだろうな。これだけ美味しい料理を作れる味覚があるならこのコーヒーの味が許せるとは思えない。帰り際に見たらコーヒーマシンだった。よほどひどい豆かひどいマシンに違いない。画像じゃ分かりにくいけど泥水色。散々泥水を飲まされてきた僕へのアンチテーゼなんだろうか。
 
さてということでソファーから立ち上がると、となりの黒地にゴールドロゴのよそ行きジャージのマイルドヤンキーカップルが盛り見してくる。娘とふたりだから援交とでも思ったのだろうか。
見るなヴォケしね。
 
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そのあと海へ出た。
今年初めての海。ここは毎年何回も来るようなホームのような浜だったのに、しばらく浜名湖畔のランニングばかりだったのでひさしぶり。本当に来て良かったと感じた。
 
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探さないでください。
 
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じわじわきた。
 
途中で買ってきた赤ワインを少し飲んでうつらうつら。完全にスイッチオフで本も読む気にならなかった。サーフィンをしていた若い女性が海から上がったあと、バッグをもって小枝を歩き回って集めていた。何すんだろう。
娘は浜をうろうろしていた。
 
転がり落ちるような秋の夕陽に終われるように引き上げた。実に素晴らしい日だった。
 
でも翌火曜日に車がエンジントラブル。月末の資金繰り思うようにいかない。ちょっと難しい文章を読んだら自分のあまりの知力の無さに絶望。特に世界史。50の頭じゃいくらおさらいしても全然身につかない。今日木曜に至ってはもう厭世感まで出てきて朝から気分は最悪。仕事も捗らずもううんざり。
 
昼間車検場で、歩いている僕を通り越した新規検査の外車のコンパクトカーに乗った若いチャラっとした女性が、窓から顔を乗り出して僕の方を振り返ってじっと見た。知り合い?ちょっとドキっとした。おっさん邪魔じゃヴォケって顔じゃなかった。どうでもいい出来事だけど、ハッとする瞬間は刺激になる。
 
なんだったんだろう。