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Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

「シン・ゴジラ」 レビュー(俗編)

映画

ネタバレひどいですからね!

 

シン・ゴジラと春の修羅 - Toujours beaucoup

 

ぱっと思いつくままにレビューを書いてから、他のいろんな人のレビューを読んでみた。製作者が意図的にそうしたのだろうけど、もう映像と言葉の洪水で消化不良なところもあり、色んな仕掛けや思想も入っていたので答え合わせをしたかった。

 

映画「シン・ゴジラ」は旬なだけにブログレビューが山ほどあって面白い。

もちろん色んな感じ方があって興味深いのだけど、それよりもレビュアーの普段の考え方とか生活までブログを遡ると、やはりレビューとシンクロしていて実に興味深い。

エヴァンゲリオン中毒の人はエヴァフィルターがかかってしまっている。

ハイスペックなのになんだかグダグダに人生を浪費しているような人のレビューを見ると、やっぱりグダグダでその人の前途を心配してみたり。

歴史や文学的な素養の深い人のレビューはやはり唸らせられるものがある。

ブロゴスやハフィンポスト、現代などに起稿している社会派ライターは、見事に監督脚本の庵野秀明トラップ(僕はそう思う)に引っかかって、危機管理だの日本の問題だの日米安保9条非核放射脳とギャーギャーうるさい。

普段からネガティブとも感じるくらいコンサバな人のレビューはやはりそうで、もう少し楽観して世間を大目に見た方が全てうまく行くのにと思う。

けどエンターティメントでどう考えようと自由だし全て大きなお世話だ。

 

監督脚本の庵野秀明が同世代なこともあり(エヴァンゲリオンは良く知らないけど友人がほぼ中の人)、祖父の時代の戦争から敗戦と復興、高度成長。社会に出てみれば絶頂のバブルと崩壊。とどめのリーマンショックに、117、サリンに311のカタルシスときている。

そんな時代の中から生まれた正義のヒーローである異星からの使者ウルトラマンは社会派ドラマとしての色も強かった。正義のヒーローがテレビ画面でバラバラに切断され涙したり、宇宙に見捨てられた宇宙飛行士が復讐のため怪獣となって地球に帰ってきたジャミラ「故郷は地球」に涙してみたり。

続くウルトラセブンは被曝者描写の不適切さで廃番になったスペル星人の話「遊星より愛をこめて」、地球人の横暴を暗喩したネイティブの海底人ノンマルト人の話「ノンマルトの使者」、最後は大切な地球は自分で守りなさいよと瀕死のセブンが訴えた。

初代ゴジラもそんな時代にアメリカの横暴さで惨禍を起こした水爆実験から生まれた。

その時代に我々は幼少から少年時代を過ごしたのだが、ウルトラマンシリーズも仮面ライダーシリーズも次第にタイアップ商品販促の商業シリーズとなり、仮面ライダーに至っては電車か車移動になってしまった。バイクに乗れない仮面ライダーって何なんだよ。

もはやテレビの中の正義は商品となり、少年ジャンプの中にさえ正義が存在するかどうかは怪しいもんである。

そんな時代ではあるが宮崎駿は作品を世界中で商業的に成功させつつも、しばしば氏の思想を強く作品に盛り込んでいる。「風立ちぬ」などは正にダブルスタンダード宮崎駿的なもののプロパガンダ映画だった。兵器や飛行機やまつわる人や歴史が大好きで、でも完全なる反戦主義という一見矛盾した思想であるが、毒を皿まで食べてしまった人ならではである。

零戦は一機も戻って来ませんでした」

美しくも脆い当時の日本の姿そのものでもあった零戦は自ら縊れて死んでしまったのである。そして零戦を作った主人公の堀越二郎の声優は庵野秀明だった。声優としては世間の評判は悪かったが、僕には庵野の演技を通して、人格的にはおそらくバランスの悪かった堀越二郎そのものを見ることが出来た。

ウルトラマン(まちがいなく)や、 宮崎駿(おそらく)の薫陶を受けた庵野秀明は、宮崎駿的なものにプラスしてジャミラ的なものに涙してしまう弱さも持っている。ジャミラは人権問題を絡めた被害者的な描かれかたで、一見気の毒な生い立ちはあるにせよ、本来は大量殺戮怪獣であり同情は禁物である。

シン・ゴジラ」でゴジーラの感情を一切廃したのは、人間を模したジャミラ的なものの意図的な切り捨てもあったのかもしれない。大田区を遡上する孵化したばかりのゴジーラの形態はウツボそのもので目を背けんばかりだったし、成獣してからもドズ黒い溶岩石の絡まる根幹に、中には飛び出さんばかりの真っ赤なマグマが燃え滾る地獄の釜のようで、人的な要素が徹底的に省かれていたような気がする。

 

話を戻して

冒頭のシーンで、東京湾で発見された無人のプレジャーボートの遺留品には、きっちりと揃えられた男物の靴と「春と修羅」以外にもあった。それによってボートの主はゴジーラの誕生の謎と生態に関するキーとなる牧教授のものと判明してくる。

エニグマ並みの謎解きになるゴジラの生態構造と牧教授失踪の謎。

牧教授は妻を日本の放射能災害で失い国を恨み日本を捨てた。その後アメリカにわたり研究機関でゴジーラの基礎研究をしていたという。

ゴジーラは海底で放射性廃棄物を餌とし(これは有用ではないか!)、体内で核分裂しながら生体増殖をする。半減期は20日で餌には限界がある(ほっとけば問題解決か??)

牧の残したゴジーラの生体構造を解き明かし、血液凝固剤を国を総力を挙げて生産しゴジーラに注入し凍結封印した。だがゴジーラへ対する核攻撃のカウントダウンは一時停止したままで、ゴジーラの尻尾からは人型の骨格のような物体が無数に生えていた。リトルピープルかよ。

複数あるレビューの謎解きによると、東京湾で船上から失踪した牧は自殺ではなく、ゴジーラに供された。つまり牧教授は生贄のようにゴジーラの体内に飛び込み自らのDNAを供したと。それによってゴジラは人型歩行体に生体進化したと。

これはまさにジャミラ的な展開で、牧はアメリカのゴジーラの軍事利用を体を張って阻止するために、妻の故郷日本でゴジーラと心中することにした。でも問題解決のヒントは残す。

実は今回一切感情を廃したゴジーラは続編への伏線で、続編はゴジラの目から・・・(笑)

 

ところで続編はともかく、4年後のオリンピック出来ねーじゃん。どうすんのさ

 

 

 

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