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Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

きぶんよし ちょうしよし すべてよし

日常

オレンジ色のマツダデミオは少々愛が足りない感じだった。肌荒れもひどく汚い靴を履いている。つまりボンネットは色あせ気味で糞みたいなタイヤを履いていた。オドメーターを確認すると6万キロオ―バーで、オーナーである知り合いとの人生にもそろそろ疲れてくるころだろう。

鈴鹿8耐帰りの東京の知り合いと豊橋で待ち合わせて河口湖に飛行機を見に行くことになったのだ。河口湖自動車博物館の飛行館。

朝6時出発なので駅前のコインパーキングに車を乗り捨ていくことにして、早めに行って駅前から少し離れた安価で好条件なパーキングを探す。

トラップだらけで「平日500円打ち切り」と大きく書いた横に12時間までと書いてあったり、午後3時以降と書いてあったりして良く引っかかる。

そんな中、一見意味が分からなかったが面白い駐車場を見つけた。駅前から数百メートルだが、建築中に事情があって放置されたような住宅の駐車場が、性善説に基づく、つまり田舎の無人野菜販売所のような駐車場になっている。

日付け制の一日500円設定で、位置別の南京錠のかかった料金箱にお金を投入する。

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無事に車を泊め数分歩き、知り合いが前泊していた駅前のホテルのロビーで待ち合わた。

コインパーキングからマツダデミオでゆるりと走り出す。ブレーキが甘・・・いや、えらいソリッド感の強いブレーキで強い踏力を必要とするぞ。昔の欧州車のようだ。やる気か。

アクセルを踏めば踏んだ分だけ加速するリニアリティのあるエンジンフィールに、ローダウンしたかのような低重心にワイドトレッドな設定に感じられ、安っぽい感じではあるが中々しっかりとした車体フィーリングだ。

フレンドリーで乗った瞬間の手足のように扱える。こんな車はなかなかない。悪くないぞ。

仕事で良く乗るトヨタの車は、リニアリティが薄く唐突にアクセルレスポンスし、カックンブレーキで、意識して操作しないと246のタクシードライバーみたいな運転になってしまう。

目的地は河口湖でルートは3通り

1.【豊橋駅前】R1【浜松インター】東名【御殿場】R138 富士五湖道路 【河口湖

2、豊橋駅前】R151【豊川インター】東名 新東名【御殿場】R138 富士五湖道路 河口湖

3、豊橋駅前】地方道浜名湖経由【三ケ日インター】東名【御殿場】R138 富士五湖道路 河口湖

 

2、が距離的には一番遠いが、新規格の新東名を使うので一番楽で早い。コストは一番かかる。

1、は最短距離でコストも安いが浜松までは50キロある。

3、は地方道で峠を越え浜名湖畔をしばらく走るが、景色も良く趣もある。

同行者に提案すると、意外な返事でとにかく浜名湖SAを経由したいと。なので異なった理由で3、のルートとなったが、観光もでき良い選択となったと思う。

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最高の天気で空気も澄み渡り、成層圏を感じる真っ青な空に純白の真綿のような雲。

富士山は森林限界を超えた荒々しい山肌を見せている。働き者のマツダデミオはパワーはあまりないが、ズムズムズームと快調に前途を刻んでいく。

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10時開館の一時間前に到着。

ここ河口湖自動車博物館の飛行館は、大戦期の日本の軍用機を素晴らしい技術でレストアして展示している。例年8月の一か月だけの一般公開だ。

靖国神社遊就館にあるゼロ戦もここの作品で、リバースエンジニアリングでほとんどのパーツが新造されている。現在再現するにも高い技術のいるエンジンシリンダーは、なんとイタリア製の精密砂型鋳造だという。そう真面目なイタリア人は実は日本人より良いものを涼しい顔して作ったりする。

 

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この空冷星形エンジンシリンダーの、細かいピッチの薄い冷却フィンを造るための当時の砂型鋳造技術には驚いた。

 

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これはドイツ製ダイムラーエンジンDB601をフィードバックし、名古屋熱田の愛知航空機で製造したアツタエンジン。

戦時中なのにエンジンケースの鋳出し文字がロックしていて胸熱だった。

 

ここは原田コレクションともいい、原田氏の個人の財力で全てここは賄われている。

そしてつい最近、飛行機中毒の知り合いが人生を一通り仕上げたあと、ここに就職したと聞いたのも今回訪問の動機のひとつだ。

1995年に豊橋上空を飛ぶ零戦に衝撃の出会いをし裏を取ったのがこの知り合いだ。

pooteen.hateblo.jp

こども達を育て上げ、65まで延長した定年後にここにきた。

豊橋の豊かで大きな古い村落の立派な農家の跡取りで、かなりの決断と実行力が必要だったという。20年ぶり近くぶりの再会で、やはり65という歳を感じさせる年輪を感じたが会えて実によかった。そしてその決断に嫉妬した。

 

帰路は高速バスと鉄道を利用する。知り合いは中央道で東京へ帰る。

河口湖駅から富士急高速バスで三島まで出て東海道新幹線豊橋まで。

12時まで見学し河口湖駅まで食事をとった。平日のここは噂通り富士山観光の外国人だらけだ。駅前のレストランを数件覗いてみると、大声のグループ外国人観光客だらけで、張作霖爆殺事件を起こしたくなりそうだったので、目抜き通りを抜けていくと、駅描いたような昭和の街道筋の寂びれた食事処があった。無言(無表示)の外国人を拒絶するオーラがすごい。とにかく入ってみよう。

すり減りすぎて重たい引き戸を開けてお邪魔すると誰もいない。古くて消耗した家屋をそのまま利用しているけど良心的な清潔さは保たれている。富士登山客の食堂と休憩所を宿で往年は栄えていた雰囲気があり居心地は良い。

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ラーメンはなんと観光地にもかかわらずなんと500円。少ないメニューだがどれも同様に安価だ。

そしてここでも遇有性の煌めきに感謝することになる。

期待はしていなかったラーメンが実に美味しいかったのだ。素材そのものはいたって凡庸で取り立てるものでもない。

だが素朴な醤油スープに刻みネギが最高のマッチングで薬味し、平凡な黄色いちじれ麺は平安さを感じさせ、焼豚があっさりとしながらもしっかりとした味わいと食感で驚いてしまった。普通のものを普通にバランス良く仕上げることの大事さを痛感した。

画像はないがカツ丼も同様な味わいで、最高の凡庸さとでもいうべきなのか。

ごちそうさまでした。

tabelog.com

 

駅前に戻って通り沿いのレストランは相変わらず、まるで阪神が負けた時の南海電車のような喧噪だった。入らなくて良かった。

 

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バスに乗る準備をし待ちながらここで感じたのだが、外国人観光客は中国系が多数を占め、次に欧米の白人と有色人種ら、インド系と次に日本人の存在ぐらいに感じた。

白人の親子などは、ここまで家族で来れるということはそれなりに裕福でないと無理なのだろうけど、しっかりとした登山ウエアに身を包み、子供たちも(自分の事は自分でやりなさいと教育されているのだろう)同様なしっかりとした登山ウエアに大きなリュックをしょっている。そして「僕は大丈夫だよ」そんな気丈な表情をしているのが印象的だった。ほかの欧米系やインド系は学生風の2-3人の若いグループが多かった。静かでマナーも良かった。

大人数の東洋人グループは、ギャーギャーそこいらで騒いでいる。お店や駅の人もストレスだろう。

河口湖から三島駅に出る富士急の高速バスは15:20の予約だったのだが、13:00には着いてしまった。フラフラして時間をつぶしても良かったのだが、あまりの喧噪にとてもそんな気にならず、チケット売り場で相談してみたら、13:30のバスに変更してくれた。賢いそばかす美人さんでとても気持ちの良い対応だった。

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ちなみに乗り込んだバスは僕以外は全て外国人だった。

社内で缶酎ハイを一本飲んだら、ほぼ貫徹だったのもあり気がついたらもう三島駅前だった。なんかもったいないことしたな。

 

三島駅 15:00 

20:00までに豊橋に帰ればいいので、東海道線鈍行で帰ることした。券売機では遠距離過ぎて豊橋までの乗車券を購入することが出来ず、窓口で購入したのだが「普通乗車券ですね」としっかりと念を押され、なんだか「普通新幹線だろ?」と社会人失格認定をされたようだった。いいのさ。

15:30浜松行き普通列車

普通に混んでいる。対座シートで遠距離を乗るのは根本的に間違えているようだ。

もはやボックス席は快速とかだけなのかな。

それでも対面に旅行風の4人家族が乗っている。

小学生男子二人に、お父さんはボリビアとプリントされたTシャツで、やはりボリビア風の風貌で褐色に日焼し短髪で陸上選手みたいな顔つきをしている。奥さんは結婚してオンナという武装解除をしてオカンになったというイメージだ。夫婦ともに一流ブランドの登山リュックなのだが、奥さんは靴流通センターで480円ぐらいのズックの靴を履いている。山から下りたらそれでいいのだろう。較べると子供たちは、河口湖駅で見かけた白人家族とは違い軽装備だ。ぐにゃぐにゃと身をよじらせながら延々とプレステをやっている。顔つきもまあご想像のとおり。 

関西弁で大垣行き快速とか話をしているから、夏休みの登山と鈍行の旅なのだろう。

 

僕の隣はしばらくは汗臭い巨漢が乗っていて物凄く窮屈だった。こども運賃があるのに、場所も取らないし異臭もない軽量なこの僕と、となりの巨漢と料金が同じなのは不愉快だ。

おまけに彼は弁当を食いだした。あっという間に食い終わると今度はひたすら携帯でタイピングをしている。チラっと覗くと「今日はお会いできまして云々・・・」と画面びっしりの長文を打っている。何かと面倒な男だ。

うつらうつらしていると、いつの間にか隣の巨漢もいなくなっていた。

対面の4人家族はお父さんがめっぽう明るく、息子たちもお父さんが大好きなようだ。

謎の言葉遊びもしていた。

はやしよし ちょうしよし きぶんよし すべてよし

終点浜松までかと思った彼らはなぜか掛川駅で下りていった。

 

浜松 17:56着 乗り換え

豊橋行き 18:10

小腹がすいたのでホームを端から端までいったがアイスと飲み物の自販機しかなかった。反対線のホームにはあるのに。諦めて居心地の良さそうな乗車の列に並んだ。

あと一人のとこで座れなかったけど豊橋まで30分くらいだからいい。

真ん中まで移動してつり革を掴んで驚いた。斜め先にさっき掛川で下車して行った4人家族がいるじゃないか。どういうことだ。

 

そうか

この浜松18:10発豊橋行きは、掛川17:40始発。彼らが謎の下車をした駅だ。

そう、彼らはシートを確保するために、浜松の前の掛川で17:28に下車して17:40掛川始発の豊橋行きに乗り換えたのだ。で浜松駅で間抜けな僕が乗り込んできて座れなったと。

 戦いとは一歩二歩三手先を読まないといけないのを忘れていた。

でも偶然にも彼らの近くに乗り込んだのが面白かった。豊橋駅に着くと大垣行き快速の乗り換え案内があったから、彼らはそれに乗り換えてさらに西を目指すのだろう。

彼らは相変わらず謎の言葉遊びをしていた。

 

はやしよし ちょうしよし きぶんよし すべてよし

 

ちなみになんで豊橋以西は快速列車が標準なのに、熱海ー豊橋間は全く快速がないのが謎だったのだが、こんなわけだった。

東海道線(熱海-浜松)はなぜ快速がないんですか?また、静岡県はなぜ新幹線停車... - Yahoo!知恵袋