Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

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画像の青年の仕事がわかるだろうか。
20代後半だろうか、表情は自信と野望に満ち溢れている。
ストイックな精神に支配された、ボクサー系の体脂肪率の低い無駄のない筋肉質な身体つき。ボクサーにしては腕の筋肉が足りない。だがアスリート系であろう。スイマーとガテン系ならもう少し脂肪があった方がいい。
 
左肩と左膝はオペの後だろう。鎖骨の骨折と肘の裂傷だろうか。
荒っぽい風貌と怪我からすると、あるいは現場で落ちたとび職人なのかもしれない。
 
 
職業 レーシングライダー
日本人初の世界チャンピオンであり、彼の後は20年記録が途絶えた。
画像はチャンピオン争い熾烈な頃、転倒して鎖骨を折った時のもの。
日曜に骨折して火曜日にオペ、金曜日には走っていた。そしてタイトルを獲った。
 
医療技術と移動手段の進歩した現代ではさらなる例もある。タイトル争いをしていたスペイン人ライダーは金曜日にオランダで骨折し、ホームのスペインにその日のうちに戻り、翌土曜にオベ後オランダに舞い戻る。そして日曜の朝のメディカルチェックを何とかクリアし午前には走っていた。
アンチドーピングで痛み止めは打てない。想像を絶する痛みで何度も意識が遠のいたという。だが強い意志と執念は、脳内に麻薬のような分泌物が生成され身体を駆り立てた。
 
 
当人だけではなく他に危険を及ぼす可能性もあるし、重篤な怪我を更に負う可能性も高いから、医療的にも競技的にも非常識な行為である。
何よりも当人がそこで恐怖と痛みによりあきらめるだろう。
 
だが不屈の心に執念は実り環境をもコントロールしてしまう。
 
画像の青年はそんな全てを捧げ突き抜けていった者の顔をしている。