Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

君たちには宇宙の概念が不足している

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自殺と思われる小4の男児は、公立小学校に籍だけを置いて通わず、独自の教育法のフリースクールに通っていたそうだ。そこでは生徒の自主性を尊重し、最終的に宇宙とつながることを目的とした教育法を取り入れているそうだ。

 

これを読んで吐きそうになった。

 

カルトスクールに本人の意思と関係なく通わされたようで自ら命を絶った。それもかなり奇妙な死に方で。10歳の子供が自殺を考えるのはめずらしくないかもしれないが、実行する意思や勇気まではなかなか持ち合わせていない。

 

事実僕も小5の頃、死にたくって死にたくってしかたなかった。その頃の僕はチビでもやしだったが、成績は優秀で普通にほとんどの事はこなしていた。小2の時の絶望的な南の島への転校のショックやいじめからも立ち直っていた。でも大人という将来に向かってどんどんと増えてくるやっかいなことを、こなしていくのが嫌で否でしかたなかった。

そして学校という社会でも戦わなくてはならない。まずは毎日の課題。ある日帰されてきた日誌を見ると先生が一筆したためてある。

「いま勉強したり努力しておくことは大人になった将来のためで...」

虚をつかれた気分で見直すと日誌の文末に自分の字で殴り書きがあった。

----こんなことばかりやっても意味が無い!!----

全く記憶になかった。寝落ちしながら書いてそのまま提出したのだろう。

先生の平凡なアドバイスはどうでも良かった。そんなことは分かっている。ただただ嫌で嫌で仕方なかっただけだ。でも先生に心情を吐露したのが恥ずかしいのと、心的な負担をかけたような気がして妙に印象に残った。

その一件はそれで終わり。思春期の入り口に立った子供の心の彷徨いと厭世感で死にたくもなる。でも普通は実行には移さない。

 

でも10歳の彼は死んだ。よほどの強い決意があったのだろう。もしくは本当の病気で酷く精神を病んでいたのかもしれないが、少年の心で自殺するほど病めるのかどうかは分からない。

 

高校の同級生で、旧帝大系に行けるくらい学力と人間性もあるのに、家庭の事情で就職したのがいた。カルト的な理由である。村上春樹の「1Q84」に出てくるような、物心ついたころから週末になると家族で布教活動をする宗教である。彼は宗教的な理由で柔道の授業は辞退した。争い事であるため。忠実で思慮深い奴隷たちであった。

だが生きることそのものは戦いである。

 

気になってニュースを辿ってみると、10歳の彼はシュタイナー教育をうけるフリースクールに通っていたようだ。

オーストリア生まれのルドルフ・シュタイナーが1919年にドイツで始めた教育実践です。子どもの体と心の発達観に基づく12年間の体系的なカリキュラムを持っています。知性だけでない子どもの心や体、精神性をも含めた全人教育を目指し、そのためには教育そのものが芸術行為であることが大切だと考えています。

引用元 

シュタイナー教育Q&A | 学校法人シュタイナー学園

 理念としては素晴らしい。でもそれは学校教育の一部もしくは付帯して行うべき啓発ではないか。理想の物語の世界はきちんと入り口と出口が無くてはならない。

シュタイナー教育ってどう思いますか? : 妊娠・出産・育児 : 発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

カルト的なフィルター色もあるが、なかなか正論をついているのではないかと思った。

結局のところ親がしっかりと判断しなければならない。

 

時間調整で入った駅の広場を望むカフェで老婆が話しかけてきた。

暇さえあれば旅行をして回っているという。そして老婆は宇宙と交信できるという。

もういい年なんだから何を考えようと自由だけど、僕の心の中にずかずかと入り込んできたのには腹がたった。

「それは宇宙と交信しているのではないですよ。内なる自分と会話しているだけ。つまり上から眺めている(俯瞰的な見方)自分と話しているだけ。その宇宙というのはそういうこと。ほんとに出来るなら宇宙開発事業団(JXAだけど老婆に分かりやすいように)の友達紹介しますよ」

 

あまりにも気の毒な彼の死も、彼らによって「宇宙につながった」と祭り上げれるのではないかと危惧する。

 

※事実関係の認識が甘い可能性と、一部差別的な表現があるのはお許しください。