安らかに寝落ちする夜もある
「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」
慰霊碑の石碑前面には刻まれている。
これについては解釈を巡ってずいぷんと論争されている。
つまり主語がなく責任説明を果たしていない。そんな論調の批評を前提に、それぞれが持論を展開している。
いま僕はこう思う。
みんな間違えている。誰かが間違えているのではなくみんな間違えている。でも正しいと信じてやった。それだけ。
答えは永遠に出ることはないけど、大切なのは考え続けること。議論すること。
ひょっとしたら、碑は完璧な文章で完璧な絶望から歴史を経た今、完璧に役目を果たしているのかもしれない。
四国を太平洋沿いに走ったことがある。
今でも最終日本本土防衛戦、つまり水際の緊張感の名残りがあちこちに残っていた。
マイナーというかローカルな慰霊碑は日本中にある。碑には対象のヒストリーやリストか綴ってある。
それに向きあい手を合わせ思う。
安らかに眠ってください。想いは無駄にしません。