Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

雨の朝

半島の海沿いの道を岬を目指して走っていた。

湾岸道路に突き当たると左へ曲がり、片側二車線の道に離陸するようにフルスロットルで加速してゆく。

 

クラスメイトは右こっちは左だ。

湾岸道路はやがて片側一車線となり、海岸沿いの白い破線のセンターラインと白いガードレールのローカルロードになる。

 

いつの間にか海岸沿いの道を下に眺める並行したローカル空港の側道を走っている。

岬は近い。

 

スペースにバイクを止めた。ブルーのハーレー883が止まっている。

 

話をしたことのないクラスメイトが追いついて来ている。

 

彼とは初めて話をするけど、共通の興味があるのは知っていたから、ハーレーを見ながら昨日の続きのように話は始まった。

 

下の海岸沿いの道ではクラスメイトが、下の海岸にいた後輩を呼んで何やら話している。

 

その先の海岸では日本人離れした体駆の父娘が何かを漁っている。父親が娘に篩を見せた。小エビだ。

 

「ここ入っていいかな?いや、やめといた方がいいな」

空港施設の側道沿いは格子状のフェンスはあるがゲートは開いている。

「いんじゃね?」

クラスメイトの声を背にフェンス沿いを歩く。

 

施設の端でフェンスは左へ曲がり、その先は先細りの立地のガソリンスタンドのような施設になっている。

潮風に曝された独特な色合いのコンクリート構造物。中には初老の男が2人。

フェンスの端を左へ曲がり一段上のコンクリートのステージに登る。

僕は大丈夫ですよ、そんな目配せを男たちにしながらフェンス沿いを歩く。

突然耳をつんざくような大音響でスピーカー音がした。見上げると左のフェンスの上のスピーカーからだ。

 

何の音だろう。

 

目が覚めた。

 

携帯の着信音だった。