Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

路傍の石

 今年の春かな?
 仕事場の前を叫びながら通り過ぎていく自転車の少年がいた。「未来少年コナン」の主人公のように飛ぶように走り去っていった。

 ある日仕事の帰りによく寄るスーパーにその少年がいるのに気がついた。 

「君このあいだ愛大の前を自転車で走っていったろ?」

 それから挨拶程度の話はするようになったが、ちょっとシリアスな話をするとすぐ逃げてしまう。
 
 しばらくして初めてまともな話をした。聞けば中学3年だという。進学予定は隣の市の養護学校。体は小さく叫んだり走り回ったりをしているが、話はきちんと理解するし言った事も覚えている。おそらく成長が遅いだけなのだが、まわりのケアがなく手遅れになる寸前の崖っぷちにいるような気がする。

 彼が僕に慣れてきて分かったのだが、やはり自己防御のために無意識にコミュにーケーションを避け、また考える事を放棄しているような気がする。家庭環境も教えてくれた。スーパーから見えるアパートの二階にすんでいる。玄関の横の窓の柵には黄色い傘が何本かぶら下げている。学校の傘だぞ!返せよ(笑)

 下に妹が二人。時々母親とも一緒に買い物している。母親がいる時の彼はとても嬉しそうだ。買い物を積極的にリードしている。ただ…母親はいつも暗く沈んだ顔をしている。

 彼に会うようになったのは今年の春からだ。そう中3になってから。夏休みの朝にピカピカの制服を着て、ひとりで歩いている彼を見た事がある。ちゃんと学校に行っている姿を見て安心したのだが、制服が綺麗すぎて気になっていた。

 やはりあまり学校に行ってないようだ。想像の域を出ないが、おそらく中3で他の生徒の学習に迷惑になるから学校側から来なくてもいいと判断されているのか。もしくは彼は自らそういった空気を察して学校に行ってないのかもしれない。

 まだギリギリ間に合うと思う。何とか手助けぐらいはしてやりたい。だが責任を問われれば果たす自信はない。見守って話をする程度が限界だろう。その一線を越えるのは責任が発生する。
 

例えは悪いが、路傍に打ち捨てられたエロ本のような存在。道行くものの興味を惹くのだが誰も手を出さない。そして打ち消えるか、ゴミとして処分される。そうなって欲しくない。

 MONDOの存在は映画の中だけで良い。

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