Toujours beaucoup

いつまでもたくさん

モンド ~海をみたことがなかった少年~

 黒髪と物憂げな黒い瞳。まだあどけなくかわいらしいが、自立心が強そうな少年が、光溢れる南仏の町を彷徨う。人懐っこい笑顔は、街で逸れて暮らす人々の心の癒し。まるで捨てられた子犬のよう。

 読み書きが出来ない少年に、舟を持たない漁師が、アルファベットをひとつひとつ石に書いて言葉を教えていく。

お山のM、満月のO、Nは手を挙げて挨拶する人、三日月のD、満月のO

MONDO

「お前のために門は開けておいたのよ」
街で行き倒れた少年は、隠れ住むような一人暮らし老女の家に保護されしばらくは穏かに日々を送る。だがある日少年は去る。石にメッセージを残して。

 いつまでもたくさん BEAUCOUP TOUJOURS

 詩的で哲学的な言葉が流れては消えていく。
幼い頃の彷徨い、大人になってからの寂寥感。
さまざまな感情がこみ上げてくる、光溢れる実に心に沁み渡る映像です。