ある晴れた秋の日にダコタさんに会いに行ってきた
今日はいい天気になりそうだ
秋の抜けるような青空とさわやかな風
選んで旧道を進んで行く
ジャポネスクな村落をぬけ
しばらく走り映画『飛べ!ダコタ』で使用されたダコタを見に行ってきた。
1930年代に産まれた傑作旅客機DC-3を軍事転用したC-47のイギリス向け機体で通称ダコタ-Dakota-と呼ばれていて、終戦直後に悪天候と故障で佐渡島に不時着したシスターアンという個体を演じた機体。
潮風で腐食も酷くここ最近の台風でもうボロボロ。
航空機用アルミ合金は耐食性に乏しく潮風の屋外保管ではどうだろうあと5年と持たないのでは。
この機体は遠くタイから日本に渡ってきて修復後シスターアンを演じ、余命を浜名湖の畔で静かなる死を迎えつつある。
手を触れるのはマナー違反である。
でも、しばらく傍に佇み立ち去るときに、さよならのかわりにそっと尾部に触れてみた。
零戦と同じだ。薄肉ジュラルミン独特の硬い紙細工のような手触り。ダコタもかなり薄い外板構造なんだね。
so long dakota
気弱な支配者
組体操で僕はいつも一番上の役だった。
カーストでいう頂点の役割。
身体が小さくて軽くてそこそこ動けたから。理由はそれだけ。
気持ち良かったかって?
気分は最悪だよ。
怖かったから?
そりゃ怖いさ、でもそれが理由じゃない。
まずは強制された挑戦というのは最悪だった。
いつもピラミッドを支える底辺が気楽そうで羨ましかった。崩れて潰されたって知れてるだろ。こっちは奈落の底へ落ちるリスクに晒されていた。滅多にないのだけど実際に崩壊して人の土石流に飲みこまれると体操服もぐしゃぐしゃ。靴も脱げてしまう。
一番嫌だったのは斜辺を登って行く時だよ。
クラスメイトの背中を慎重に一段づつ登っていく。人間の階段だからね。ぐんにゃりとした生身の人間の背中を登っていくのはとても嫌なものだ。
選ばれた強い人間ばかりのカーストならいい。
ところがこのカーストの中には自分が軽くなるように体重をかけるやつもいる。ブレイクした瞬間に人を踏みつけようと企んでいるやつもいる。そして弱い人間もいる。背中が体力の限界の恐怖に竦んでいるのはすぐに分かる。
○○くんごめんね。できるだけうまくやるよ、少しの間だけがまんしてね。僕だって好きでこんな事しているわけじゃないんだ。
それからおまえら、このカーストを生かすも殺すも僕次第なんだ。
わざとぶっ壊すこともできるんだ。でも○○くんのためにしないだけなんだ。
おまえら屑はだまって底辺を支えていろ。
組体操の間だけは僕が支配者だ。
このブログを読んで思いだしました
welcome to slow air
休日やっと晴れた秋の午後にセシルさんとドライブしてきました。
セシルさんとはプジョーの206CCのこと。
Bonjour Tristesse - Toujours beaucoup
人生初のオープンカーなんですが、こんに気持ちの良い乗り物だとは。
心地良い風と空の明るさからくる格別な開放感。
バイクだとヘルメットがあるのでこんな開放感は得られないし、ノーヘルだと逆に過度な空気感。
ハイクって風を感じてとかポジティブに表現されるけど、実際には風ではなく風圧でストレスでしかないし暑かったり寒かったり、おまけに危ない。
でもそれを克服したり挑戦したことによる達成感がバイクの魅力なんだけど。
あとはスピードと競争。
ちょっとハードに感じていた足回りも、ワインディングロードに入ってペースを上げ荷重がかかると、グイグイ曲がって楽しめる。
浜名湖畔のいつもはランニングしているルートを、また異なる目線で楽しめて良い休日でした。
you know everything feels unfair
Wonderful Life - Black
1987年の名曲
中原中也の詩の世界のような歌詞。
ビデオも良くマッチしている。
私はもう歌なぞ歌わない
誰が歌なぞ歌うものかみんな歌なぞ聴いてはいない
聴いてるようなふりだけはするみんなただ冷たい心を持っていて
歌なぞどうだったってかまわないのだそれなのに聴いてるようなふりはする
そして盛んに拍手を送る拍手を送るからもう一つ歌おうとすると
もう沢山といった顔私はもう歌なぞ歌わない
こんな御都合な世の中に歌なぞ歌わない1935 中原中也 ー詩人は辛いー
Wonderful Life - Black
Here I go out to sea again The sunshine fills my hair And dreams hang in the air Gulls in the sky and in my blue eyes You know it feels unfair There's magic everywhere Look at me standing Here on my own again Up straight in the sunshine No need to run and hide It's a wonderful, wonderful life No need to run and hide It's a wonderful, wonderful life Sun in your eyes The heat is in your hair They seem to hate you Because you're there And I need a friend Oh, I need a friend To make me happy Not stand here on my own Look at me standing Here on my own again Up straight in the sunshine No need to laugh and cry It's a wonderful, wonderful life No need to laugh and cry It's a wonderful, wonderful life I need a friend Oh, I need friend To make me happy Not so alone Look at me here Here on my own again Up straight in the sunshine No need to run and hide It's a wonderful, wonderful life No need to laugh and cry It's a wonderful, wonderful life No need to run and hide It's a wonderful, wonderful life No need to run and hide It's a wonderful, wonderful life It's a wonderful life wonderful life |
My Darling Clementine
youtubeの視聴者の嗜好を分析してマッチングさせる機能はすごくて、例えばちょっと気になった曲を聴きこむと、似た嗜好の曲がどんどん関連した動画として並んできて、終いにはリスト化されてホーム画面に並べられる。
おまえは俺か?
ホーム画面のリストを見ていると感心してしまう。
先日紹介したStill Cornersのビデオ
旅の終わりに Still Corners -The Trip - Toujours beaucoup
夜明けの布団の国への旅へのお伴に、Dream Popと名付けられたこの流れの動画を連続再生していた。
Mazzy Starが続いてきたのには納得だけど、その中で耳に残ったのがこの曲。
シンプルだけど何かを訴えかけるような鎮魂歌のような曲。
過去を鎮魂しているのか
過ぎたことを恨んでどうする
あらゆるものは通り過ぎる
I wish my name was Clementine
Clementine ?
どうやら映画『荒野の決闘』のメインテーマになった曲で、ゴールドラッシュのさなか水難事故で失った恋人を想うアメリカの西部民謡からきているらしい。
My Darling Clementine (いとしのクレメンタイン)
My Darling Clementine - いとしのクレメインタイン (荒野の決闘) - YouTube
ちなみに I wish my をI was smileと空耳していたのは内緒だ。
Sarah Jaffe-Clementine
50 states
50 lines
50 crying all the time's
50 boys
50 lies 50 I'm gonna change my mind's
I changed my mind
I changed my mind
Now I'm feeling different
We were young
We were young
We were young, we didn't care Is it gone? Is it gone?
Is it floating in the air?
I changed my mind
I changed my mind
Now I'm feeling different
All that time wasted
I wish I was a little more delicate
I wish my
I wish my
I wish my
I wish my
I wish my name was Clementine
Bonjour Tristesse
知り合いからプジョーの206CCを譲ってもらうことになりまして。
人生初のオープンカーでおまけにフランス車。
なんというか日本車とかドイツ車とは全く別の乗り物。
かといって底の抜けたバケツのような伝統的なアメリカ車や、もう身を捧げたくなるようなイタリア車とも違う。イギリス車はちょっと皮肉っさを秘めているというか。
プジョー206CCは、良くも悪くもB型国家のフランス的というかおバカ。
雰囲気があってスタイルも最高なんだけど、性格悪いしツッコミどころ満載だし自己主張も強くて、もう思いっきり振り回されています。
サガンが描いた幸薄げな美しい少女セシルにちなんでセシルと命名するべき?
どうなることやら。
旅の終わりに Still Corners -The Trip
Still Corners -The Trip
このビデオはまるで遠い少年時代の記憶のようで非日常を感じさせてくれて何回も見ている。
1970年代の8ミリフィルムと思われる映像はアメリカが舞台で、日本人の僕が少年時代の郷愁を感じるのはおかしいのかもしれない。
でもそれは僕が1970年代に少年時代を過ごした沖縄に似た雰囲気を感じるからだろう。1972年にアメリカから返還されたばかりの沖縄はアメリカ文化が色濃く存在していて、沖縄独特の白っぽいアスファルトと海風に曝された風土は、このミュージックビデオに空気感が似ている。
自分自身というものは、子供時代の体験が化学式のように組み合わさった産物なのであろう。
Time has come to go
Pack your bags, hit the open road
Our hearts just won't die
It's the trip keeps us alive
So many miles
So many miles
So many miles
So many miles
Away
They're following some dance of light
Tearing into the night
Watching you fall asleep
The sweetest dove in the dream
So many miles
So many miles
So many miles
So many miles
away
Still Corners
ロンドンのバンドで、ささやくようなヴォーカルとサイケデリックでシネマのようなサウンドは、エンニオ・モリコーネのようでもあり、ドリームポップと称されているらしい。
ドリームポップ、たしかにそうかもしれない。
So many miles Away・・・というのが実に良い